特集|九寨溝 Jiuzhaigou Valley 絵に表わしがたい絶景!

神秘の色彩
写真家にとっては天国、画家にとっては地獄 !
九寨溝の見どころ

Column
透明度の謎
九寨溝のエコロジー
おすすめツアー

 

中国の世界遺産のひとつ、九寨溝。
美しい色彩を映し出す透き通った湖水、真っ白なヴェールのような幻想的な滝…。
美しい水が織り成す奇跡の景観が見る者の心を奪います。


神秘の色彩

中国の風景というと、まず何を思い浮かべるでしょうか?
黄山や桂林のような墨絵の世界? 竹林とパンダ?
澄み切った青い湖、滝、そして木々の織り成す風景、九寨溝。
そこは、まさに中国の中でも最も神秘的は場所のひとつ、訪れた人々は、「あまりの美しさに息をのむ」といわれています。
その感動は、まず実際にその目で見ていただきたいところですが…


写真家にとっては天国、画家にとっては地獄 !

九寨溝は、麻婆豆腐で有名な(!?)四川省の北部、岷山山脈(びんざんさんみゃく)の麓にある渓谷でY字型をしています。九寨黄龍空港ができたので、以前より、アクセスしやすくなったのが嬉しいところ。

九寨溝地図
九寨溝写真

九寨溝地区には、チベット族、チヤン族の方などが住んでいて、実際にこの絶景が、政府によって見つけられたのは1972年といわれています。その後、1992年には、「九寨溝(チウチャイゴウ)の渓谷の景観と歴史地域」が世界遺産に登録されました。一年中を通して、四季折々、違った景色が見られることから、どの季節に訪れても、がっかりすることがないと称されるほど。

その美しさは、「写真家にとっては天国! そして画家にとっては地獄!」というのも、九寨溝の織り成す色彩は、すばらしく、その微妙な色合いを絵画でもって表わすのは大変だというのです。その美しい景観を汚さないよう、入り口からは、徒歩観光もできますが、グリーンバスという環境を考慮したガソリンを使わないエコロジーカーも走っています。足に自信がある方は、ひたすら歩いてみるのも、忘れられない思い出かも知れませんが、「ハイキングはしたいけど歩けるかしら?」という場合は、まず奥までバスを利用し、そこから入り口までを歩いて帰ってくるというのもよいでしょう。

チベット族のダンス

チベット族のダンス

「九寨溝という名前の由来は?」といいますと…。
この渓谷(=溝)にチベット族の9つの寨(=村)があったためとのこと。今でも、少数ではありますが、チベット族の方たちが、近隣に住んでいます。


九寨溝の見どころ

さて、この九寨溝の観光ポイントは?
大きくは3つの渓谷からなっています。
・入り口から諾日朗まで(およそ15km)は樹正溝 Shuzhenggou
・諾日朗から原始森林(およそ18km)という方面が、日則溝 Rizegou
・諾日朗から長海(およそ18km)という方面が、則査窪溝 Zechawagou

樹正の滝

樹正の滝

樹正群海

樹正群海


有名な景色はいくつもありますが、そのなかのいくつかをご紹介しましょう。

長海(Long Lake)

一番大きいといわれる長海は深さが103m、長さが7.5kmほどで一番標高の高いところにあります。雪解け水からなるようです。青い水面に映し出される雪山の姿、チロル地方の湖にいるような錯覚に陥るかもしれません。晴れた日には、そんな様子を展望台から見ることができます。

それから、この渓谷では、池、湖などの水際に降りていくこと、また池や湖で手を洗ったりしたら、罰金になりますので、ご注意くださいとのことでした。管理局の方からメッセージでは、「ちょっと水温を確かめたい」と、池や湖に手をつけるという行為なども控えてほしい、とのことです。

長海

長海

展望台から、下に降りる階段があり、湖面の近くまで行くことができるはずです(変わっていなければですが)。遠くから見るのと、近くでは、湖面の色が、多少違って見えるのも面白いです。とても広いので、「ボートに乗って見学はできないのかしら?」などと思ってしまいましたが、環境保護のためにボートなどの観光方法は、一切禁止となっています。じっくりご覧いただき、美しい風景を堪能し、そして、どうぞ心に焼き付けてください。


五彩池

五彩池

五彩池(Five-Color Pond)

日本でも五色沼というのがありますが、この九寨溝にもFive-Color Pond と呼ばれるように、五彩池という、小さいけれど水の色合いがきれいな池があります。
「名前からすると、5つの色が見えるのでしょうか?」 よい質問です。これは、筆舌しがたい風景ゆえに、実際に見て感じ取っていただきたいと思います。ただ、この五彩池の水面を、青一色で語ることは難しいとだけ、お伝えしておきたいと思います。


五花海

五花海

五花海(Five Flower Lake)

最も目にかかる機会の多い景色といえば、透き通った水の中に、倒れた木々が交差して、横たわっているのが、くっきりと見える。そんな神秘的、かつ不可思議な湖が、五花海。湖の上にかけられた橋がありますので、そこを歩きながら、心の中のアルバムに納めていただきたいと思います。


熊猫海

熊猫海。ちなみに熊猫とはパンダのこと。

熊猫海(Panda Lake)

面白いのが、魚が泳いでいる熊猫海。山の頂上から流れ着く水は、とても冷たく、その状況下で生き抜いてきた魚は、どうやらコイ科のもののようです。でも、悠々と水中を泳いでいる姿は、なんだか気持ちよさそうですね。


諾日朗瀑布(Nuorilang)

最後に、雄大な滝といえば、珍珠灘瀑布と諾日朗瀑布があげられます。諾日朗瀑布は、九寨溝のシンボルのひとつとも言われる雄大な滝で、パンフレットなどでご覧になったこともあるかと思います。真珠のような、真っ白い水のヴェールが、上からいくつも垂れ下がり、まるで水のカーテンのようにも見えます。ちょっと幻想的な感じが漂います。

珍珠灘瀑布

珍珠灘瀑布

諾日朗瀑布

諾日朗瀑布


ちょうど、この近くの諾日朗が、この唯一、九寨溝の休憩所となっていて、お昼を楽しむ人々でにぎわうところでもあります。(「諾日朗~諾日朗瀑布」間は、およそ800mで、歩いて10分ほどです)ここが、分岐点になり、昼食を終えた観光客は、長海方面または原始森林の方面へと、再び旅立っていくのです。

この九寨溝景勝地区は、標高が2,000m~3,150m。気温は、寒い時期の1月はマイナス1度C、7月で17度C。高山病のことも頭に入れつつ、観光に望んでいただきたいと思います。高山病は、必ずしもなるとは限りませんが、対策としては「水分を取るようにする」、「無理をせず、ゆっくり行動する」、「お酒やタバコを控える」、「苦しく感じたら、深呼吸を多めにする」などがあげられるかと思います。また、睡眠不足や疲労もよくないといわれているので、旅行にいく前は、なにかと忙しく慌ただしいままに旅立ってしまうケースもあるかと思いますが、自分なりに調節しながら、楽しい旅行になるようになさるといいかもしれません。
文:星さいか(作家)
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Column:1 透明度の謎

九寨溝の湖沼の水は、石灰を含んだ湖底からの湧き水です。石灰は湖底や倒木など、水中のあらゆるものに沈着し、また、水中の不純物に吸着し、白い石灰華となります。素晴らしい透明度の秘密は水を浄化し、光を反射する白い湖底を作り出す石灰の働きなのです。石灰を多く含む土壌は、約3億年前、この地域が海底であった頃に生成された、貝やサンゴの死骸が堆積して出来た石灰岩の層があるためと考えられており、九寨溝の地層からは当時の名残である貝殻などの化石が発見されているそうです。この水の中で生きる魚は嘉陵裸裂尻魚(かりょうられつこうぎょ)という鯉の1種のみ。超自然的とも思える水の清澄さは、一方で水中の生物にとって過酷な環境なのでしょう。

石灰華が湖底の倒木を覆う。

石灰華が湖底の倒木を覆う。

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Column:2 九寨溝のエコロジー
Goldene Herbst

黄龍

九寨溝は環境保護のため車の乗り入れが全面禁止。代わりに天然ガスを燃料とする低公害型バス「グリーンバス(緑色旅遊観光車)」が運行されています。思わず手を触れたくなる美しい湖水は、ボートなどの利用はもちろん、水に手を付けることも禁止。人間には作り出すことが出来ない大自然の奇跡を傷つけることの無いよう、謙虚な気持ちで観光したいものですね。

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